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鳥栖市

(とすし)

鳥栖市は、佐賀県の最東端に位置する市であり、九州の交通の要衝として知られています。人口は佐賀市、唐津市に次いで佐賀県内第3位の規模を持ち、都市圏の中心地としても発展しています。鳥栖市は1954年(昭和29年)に市制を施行し、交通網の整備や企業の進出によって、着実に成長を続けてきました。長い歴史の中で多くの観光名所や行事が根付いています。

名所・旧跡

朝日山城址

朝日山城は、鳥栖市にある歴史的な城跡で、かつてこの地域を治めた武士たちの拠点でした。現在では、その跡地は公園として整備され、訪れる人々が過去の歴史を感じながら散策を楽しむことができます。特に、春の桜の季節には多くの観光客が訪れ、花見の名所としても親しまれています。

勝尾城筑紫氏遺跡

勝尾城は、鳥栖市にゆかりの深い筑紫氏の居城として知られています。この遺跡は地域の歴史を物語る重要な場所であり、発掘調査の結果、多くの歴史的遺物が見つかっています。現在では、史跡公園として整備され、歴史愛好家や研究者にとって興味深い場所です。

駅前不動産スタジアム(鳥栖スタジアム)

鳥栖スタジアムは、サッカーチーム「サガン鳥栖」のホームスタジアムであり、スポーツファンにとっては欠かせないスポットです。スタジアムでは試合だけでなく、コンサートや地域のイベントも開催されており、地域の活気を支える重要な施設となっています。

サンメッセ鳥栖

サンメッセ鳥栖は、文化・イベント施設であり、ここには有名な「月光の夏」で知られるドイツ製のフッペル(Hupfer)製ピアノが展示されています。このピアノは、戦時中に音楽で平和を願った感動的なエピソードと共に語り継がれています。

観光スポット

佐賀競馬場

地方競馬として知られる佐賀競馬場は、競馬ファンにとって欠かせないスポットです。競馬のレースを観戦することができるだけでなく、施設内では地元のグルメや土産品も楽しめます。家族連れでも楽しめるイベントも定期的に開催され、幅広い層に親しまれています。

鳥栖プレミアム・アウトレット

鳥栖プレミアム・アウトレットは、国内外の有名ブランドが集まるショッピングスポットです。広大な敷地に多くの店舗が並び、ファッションからグルメまで楽しめます。週末や祝日には、多くの観光客や地元の人々で賑わいます。

朝日山公園

朝日山公園は、自然豊かな公園で、四季折々の風景が楽しめます。特に春には桜が咲き誇り、花見の名所として人気があります。また、園内には遊具や広場があり、家族連れでも楽しめるスポットです。

河内ダム周辺

河内ダムは、鳥栖市の自然を象徴する場所の一つです。周辺にはハイキングコースや釣り場が整備されており、自然の中でリフレッシュしたい人々に人気があります。また、秋には美しい紅葉が楽しめ、多くの写真愛好家が訪れるスポットでもあります。

とりごえ温泉 栖の宿

とりごえ温泉 栖の宿は、鳥栖市にある温泉施設で、リラックスできるひとときを提供しています。天然温泉を楽しみながら、地元の食材を使った料理を堪能できるのも魅力です。宿泊施設も整備されており、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

市民の森

市民の森は、広大な自然公園で、森林浴やバードウォッチングが楽しめます。自然と触れ合いながら、散策やピクニックを楽しむことができ、週末には多くの家族連れが訪れます。また、園内にはキャンプ場もあり、アウトドア愛好家にも人気です。

九千部山

九千部山は、鳥栖市を代表する山岳で、ハイキングやトレッキングに最適な場所です。山頂からは鳥栖市街やその周辺の風景が一望でき、特に晴れた日には遠くまで見渡せます。また、山道にはさまざまな植物や動物が生息しており、自然観察を楽しむこともできます。

九州自然歩道

九州自然歩道は、鳥栖市を通る長距離歩道で、九州全域を結ぶ壮大なトレイルです。初心者から上級者まで楽しめるコースがあり、自然と触れ合いながらのトレッキングが人気です。また、途中には展望台や休憩施設も整備されており、快適に自然を満喫することができます。

中冨記念くすり博物館

中冨記念くすり博物館は、日本の薬の歴史や製薬技術について学べる博物館です。薬の製造過程や歴史的な資料が展示されており、薬に関する知識を深めることができます。また、地元の製薬業界との関わりも紹介されており、地域の歴史的な背景を知ることができる貴重な施設です。

祭事・催事

とす弥生まつり

毎年3月の最終日曜日に開催される「とす弥生まつり」は、春の訪れを祝う伝統的なお祭りです。地域の人々が集まり、伝統的な舞やパレードが行われ、賑やかな雰囲気に包まれます。

まつり鳥栖

「まつり鳥栖」は、7月の最終日曜日に開催される鳥栖市最大のお祭りです。山笠の練り歩きや、さまざまな出店が立ち並び、地域の人々と観光客が一体となって楽しむイベントです。夜には花火も打ち上げられ、夏の夜を彩ります。

鳥栖祇園山笠

鳥栖祇園山笠は、夏休みの最初の土・日曜日に開催される伝統行事で、神輿や山笠が街を練り歩きます。地元の人々による熱気あふれるパフォーマンスが見どころです。

土曜夜市

7月下旬の土曜日には、「土曜夜市」が開催され、夜の街が賑わいます。屋台やステージイベントが並び、家族連れや若者たちが集まり、楽しいひとときを過ごすことができます。

九州まん祭

九州まん祭は、毎年5月に開催されるイベントで、九州全域から多くの参加者が集まり、地域の特産品や文化を楽しむことができるお祭りです。飲食ブースやステージイベント、子供向けのアクティビティなど、家族連れでも楽しめる内容が盛りだくさんです。特に地元のグルメを味わう機会としても人気で、九州各地の美味しい料理が堪能できます。

その他の観光スポット

河内河川プール

河内河川プールは、自然の川を利用したプール施設で、夏場には多くの家族連れで賑わいます。川の清流を楽しみながら、自然の中で泳ぐことができ、リフレッシュできます。また、周辺にはバーベキュー施設も整備されており、一日を通して楽しむことができます。

四阿屋神社

四阿屋(あずまや)神社は、鳥栖市の古い神社の一つで、歴史的な建造物や美しい自然に囲まれています。この神社は地元の人々から深く信仰されており、特に初詣や祭りの際には多くの参拝者が訪れます。また、神社の近くには美しい滝があり、自然との調和を感じられるスポットです。

御手洗の滝

御手洗の滝は、鳥栖市郊外にある隠れた名所で、静かな自然の中にある滝です。滝の水は澄み切っており、滝壺の周辺は夏でも涼しく、訪れる人々を癒してくれます。ハイキングコースの途中にあるため、散策しながら滝を楽しむことができます。

杓子ヶ峰

杓子ヶ峰は、鳥栖市の自然の中にある山で、ハイキングや登山に最適なスポットです。山頂からは、鳥栖市内やその周辺の美しい風景を一望でき、特に秋の紅葉シーズンには多くの登山客で賑わいます。また、山頂付近には展望台もあり、絶景を楽しむことができます。

田代公園

田代公園は、自然豊かな公園で、地元の人々が憩いの場として利用しています。広大な敷地には芝生広場や遊具があり、子供たちが思い切り遊べる環境が整っています。また、春には桜が咲き誇り、花見の名所としても知られています。

沼川河川プール

沼川河川プールは、地元の子供たちが夏に楽しむための施設で、清流を利用した自然派プールです。浅瀬のエリアもあり、小さな子供でも安全に遊べるため、ファミリー層に人気のスポットとなっています。周辺の自然環境も魅力で、ピクニックをしながらのんびりと過ごすことができます。

地理と位置

鳥栖市は、筑紫平野(佐賀平野)に位置し、南部は筑後川が流れています。市街地は平野部にあり、北西部には脊振山地が広がっています。市の標高が高い場所には九千部山や石谷山などの山々がそびえ、豊かな自然が残されています。市内には多数の河川があり、特に筑後川は大きな水資源として機能しています。

主要な河川と山

鳥栖市を流れる主な河川には、筑後川、宝満川、安良川などがあり、これらの川は市内の水田地帯を潤しています。市の象徴的な山々としては、九千部山(848メートル)、石谷山(754メートル)、城山(501メートル)などがあります。自然環境に恵まれた鳥栖市は、これらの山々を背景にした美しい風景も魅力のひとつです。

交通の要衝としての役割

鳥栖市は、九州の主要な陸路交通網の交点に位置しています。福岡県、熊本県、宮崎県、鹿児島県を結ぶ南北軸と、長崎県や大分県を結ぶ東西軸が交わるため、交通の要所として古くから重要な役割を果たしてきました。主要な道路や鉄道が集中しているため、物流拠点としても発展しており、鳥栖ジャンクションや新鳥栖駅がその象徴的な施設となっています。

九州新幹線と鳥栖ジャンクション

2011年(平成23年)には、九州新幹線が全線開業し、鳥栖市に新鳥栖駅が誕生しました。この新駅により、鳥栖市はさらに交通の利便性が向上し、企業進出や人口増加が促進されています。また、鳥栖ジャンクションは九州の主要道路網を結ぶ重要な結節点として、多くの物流業者や企業が集積しています。

鳥栖市の歴史

古代から江戸時代までの歴史

鳥栖市の歴史は古く、「魏志倭人伝」では「對蘇(ツサ)」という地名が鳥栖を指す可能性があるとされています。古代からこの地域は「鳥巣(とりのす)」と呼ばれており、鳥を飼育して献上する地として知られていました。この「鳥巣」という名が後に「鳥栖」へと転じ、現在の地名となっています。

江戸時代には、鳥栖市内には長崎街道の宿場町である田代宿や轟木宿が設置されていました。特に田代宿は、対馬府中藩の飛び地として栄え、米倉や代官所が置かれていました。さらに、この地域では漢方薬の製造が盛んで、日本四大売薬の一つとして田代売薬が知られていました。特に朝鮮との貿易によって得られた薬草や知識が、地域の産業発展に大きく寄与しました。

明治から第二次世界大戦までの発展

明治時代には、佐賀の乱や西南戦争などを契機に、薬の需要が高まり、製薬業がさらに発展しました。また、鉄道網の整備に伴い、鳥栖市は「鉄道の町」としても知られるようになりました。1889年(明治22年)には、九州鉄道の最初の区間として博多から筑後川北岸までの路線が開通し、その後も東西南北への鉄道網の拡大が進められました。

戦時中と戦後の変化

第二次世界大戦後、鳥栖市は製薬業や織物産業に加えて、交通の要衝としての機能を強化していきました。特に、戦後の道路網の整備により、交通の中心地としての性格が一層強まりました。鳥栖ジャンクションや国道34号の改良により、九州各地へのアクセスが向上し、企業誘致が進み、工業都市としての発展が進められました。

現代の鳥栖市

工業都市と物流拠点としての発展

現在、鳥栖市はその地理的な利便性を活かし、物流拠点として重要な役割を果たしています。九州新幹線や鳥栖ジャンクションを中心に、企業の進出が相次ぎ、工業都市としての地位を確立しています。さらに、鳥栖市は日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟するサガン鳥栖のホームタウンとしても知られており、サッカー文化の発展にも寄与しています。

住みやすさランキングでの高評価

鳥栖市は、その住みやすさも高く評価されています。東洋経済オンラインが発表する「住みよさランキング」では、2010年(平成22年)に九州ブロックで1位、全国総合ランキングで4位にランクインしました。このランキングは、交通の利便性、生活環境、教育環境などを基に評価されており、鳥栖市がいかに暮らしやすい都市であるかが示されています。

観光と文化

田代売薬と久光製薬

鳥栖市は、日本四大売薬の一つとして知られる「田代売薬」が栄えた地でもあります。現在、田代売薬を祖とする企業である久光製薬が鳥栖市に本社を置き、国内外で活躍しています。この歴史ある製薬業は、鳥栖市の文化と経済に深く根付いており、地域の誇りでもあります。

佐賀競馬場とサガン鳥栖

九州で唯一の地方競馬場である佐賀競馬場も鳥栖市に位置しています。また、サッカーチーム「サガン鳥栖」のホームタウンであり、鳥栖市内にはJR鳥栖駅東側に「駅前不動産スタジアム」があります。これらのスポーツ施設は、地元住民のみならず、県内外から多くの観光客を引き寄せています。

まとめ

鳥栖市は、九州の交通の要衝として、また工業都市や物流拠点として発展を続けています。その豊かな歴史と文化に支えられた地域は、現代においてもなお、多くの人々に愛される都市となっています。観光やスポーツ、産業といった多様な魅力を持つ鳥栖市は、今後もさらに発展していくことでしょう。

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名称
鳥栖市
(とすし)

佐賀市周辺・鳥栖

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