佐賀インターナショナルバルーンフェスタは、日本の佐賀県佐賀市の嘉瀬川河川敷を主な会場として毎年秋に開催される熱気球競技大会およびイベントです。この大会は、日本国内だけでなく、アジアでも最大級の熱気球イベントであり、国内外から多くの観光客が訪れます。
佐賀インターナショナルバルーンフェスタは、熱気球競技大会として毎年、十数か国から70〜80機の熱気球が参加します。そのうち約50機が日本国内からの参加であり、イベント全体では110機前後の規模となります。過去には1989年、1997年、2016年の3度にわたって熱気球世界選手権も開催されました。
大会は通常、10月下旬から11月上旬にかけての約1週間行われます。競技中のバルーンが河川敷から一斉に離陸し、市内の広範囲でその壮観な飛行を見ることができます。競技の一部では、農閑期の水田が離着陸地点として利用され、周辺地域の風景と相まって、美しい秋の風景が広がります。
熱気球の飛行は、佐賀市内やその近郊の住宅地付近でも低空飛行することがあり、参加者や観客は間近でバルーンを楽しむことができます。また、バルーンの色とりどりのデザインが空を彩り、観客を魅了します。
バルーンフェスタは佐賀市の年間観光客数の4分の1を占める、最も大きなイベントです。秋季イベントとしては同時期に行われる唐津くんちを上回る集客力があり、地域経済に大きな影響を与えています。2016年には131万人の来場者を記録し、近年も75〜95万人程度の観客が訪れています。
バルーン競技のほか、会場となる嘉瀬川河川敷では、熱気球の係留飛行やライブ・コンサートなど、さまざまな催し物が開催されます。飲食や土産物、ゲームなどの出店が集まる「憩いの広場」では、毎年数百店舗が並び、訪れる観客を楽しませています。
競技は通常、早朝の7時から開始されるため、観光客は日の出前の6時30分ごろから会場に集まり始めます。渋滞を避けるために、駐車場は佐賀市内や小城市などに分散されていますが、出勤時間帯と重なることもあり、主要道路では早朝から混雑が発生することがあります。
また、午後にも競技が行われますが、天候によっては中止や順延となることがあり、強風や雨などの影響を大きく受けるイベントです。
メイン会場となる嘉瀬川河川敷は、国道34号の嘉瀬大橋から国道207号の嘉瀬橋までの細長い区域で構成されています。会場は北から順に駐車場、「憩いの広場」、本部エリア、競技エリア、ブリーフィングエリアが配置されています。
バルーンの飛行は、嘉瀬川河川敷を中心に行われますが、一部の競技では会場外も飛行範囲に含まれます。着陸地点やターゲットは、事前にパイロットが自ら選定する場合があり、佐賀平野全体でバルーンの飛行を見ることが可能です。特に、稲刈り後の水田が着陸地点としてよく利用され、バルーンが次々と降り立つ風景はこの時期ならではの光景です。
バルーンが飛行中、市内の住民との交流も見られ、飛行を終えたパイロットと地元住民が交流する場面も多くあります。また、大会期間中のみならず、大会後も小規模なバルーン大会が継続して開催され、地域全体でバルーン文化が根付いています。
大会終了後も、佐賀熱気球パイロット協会が主催する小規模なバルーンイベントが行われます。6月には「佐賀市長杯・若葉杯新人戦」、11月から翌年2月にかけては「SAGAバルーンチャレンジシリーズ」が開催されます。さらに、12月には吉野ヶ里歴史公園周辺を主会場として「吉野ヶ里ウィンターバルーンフェスタ」が行われ、年間を通してバルーンの魅力を楽しむことができます。
このイベントは「佐賀バルーンフェスタ組織委員会」が主催し、佐賀市や地元の商工団体が共催しています。イベントの運営には多くのボランティアが参加し、地域全体で支えるイベントとして知られています。
大会期間中、複数の公式大会が行われます。主要な競技には以下のものがあります:
1984年から毎年開催されている競技で、全競技の総合成績を基に順位が決定されます。1位の選手には優勝杯が授与されます。
当年の日本チャンピオンを決定する大会で、優勝者は翌年の熱気球世界選手権に出場する権利を得ます。
競技の締めくくりとして行われるこのレースでは、バルーンが低空飛行し、会場に設置された「キー」を取ることを目指します。キーを取った選手には協賛企業から賞品や賞金が贈られます。
佐賀インターナショナルバルーンフェスタは、1978年に福岡県甘木市で「バルーンフェスタ・イン九州」として始まりました。その後、1980年に佐賀市に会場を移し、毎年11月に開催されるようになりました。以来、佐賀市を代表するイベントとして定着し、国内外から多くの熱気球ファンを魅了しています。
佐賀インターナショナルバルーンフェスタは、日本だけでなく世界中から注目されるイベントです。毎年秋に開催されるこの大会は、美しい佐賀平野の空に色とりどりのバルーンが舞う光景が圧巻です。観光客だけでなく、地元の住民も楽しむことができるこのイベントは、佐賀市にとって重要な観光資源であり、地域経済にも大きな貢献をしています。大会の競技だけでなく、さまざまな催し物や地元の文化にも触れることができるため、家族連れや観光客にも人気のイベントとなっています。