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古湯温泉

(ふるゆ おんせん)

古湯温泉は、佐賀県佐賀市富士町に位置する歴史ある温泉地で、旧国肥前国に属しています。標高200メートルの山間に位置し、静かな自然環境の中で温泉を楽しむことができる場所です。昭和41年(1966年)には、厚生省から「国民保養温泉地」としての指定を受け、全国的にも認知されています。

泉質と特徴

古湯温泉の泉質は「アルカリ性単純温泉」で、肌にやさしい特性を持っています。この温泉は、特に「美人の湯」としても知られており、泉温は約43℃と心地よい温かさです。また、温泉街にはぬるめのお湯を楽しむことができる場所もあり、38~40℃の温度が母胎の羊水に近いとされ、リラックス効果が高いとされています。

温泉街の魅力

古湯温泉街は、嘉瀬川と貝野川の合流地点付近に広がっており、旅館が13軒ほど並んでいます。共同浴場は「古湯温泉センター」の一軒が存在しており、地元の人々や観光客に親しまれています。温泉街ではさまざまなイベントが開催されており、6月には蛍鑑賞会、7月には古湯温泉花火大会、9月には古湯映画祭などがあります。

温泉街のイベント

歴史と伝説

古湯温泉の開湯伝説は約2200年前に遡ります。伝説によれば、秦の始皇帝が不老長寿の薬を求めて日本に派遣した徐福が、この温泉を発見したとされています。また、古くから湯治場として栄えており、斎藤茂吉、青木繁、郭沫若といった文人墨客もこの地を訪れ、心身を癒しました。

温泉の発見伝説

徐福がこの地にたどり着いた際、ある夜、湯の神が現れ、「この山中には、黄金の霊が湯となって湧き出す場所がある」と告げました。徐福はその導きに従い、湯が湧き出している場所を見つけ出し、「湯守り」としてこの温泉を広めました。この伝説が、古湯温泉の始まりとされています。

温泉の再興

しかし、元禄の大地震によって温泉は一時塞がれてしまいます。その後、寛政3年(1791年)に地元の稲口三右衛門が再び温泉を発見し、村人たちと協力して浴室を再興しました。この温泉は「鶴の湯」と名付けられ、後に「鶴霊温泉」として知られるようになります。

斎藤茂吉や青木繁との関わり

洋画家の青木繁や、アララギ派の総師として日本歌壇で名を馳せた斎藤茂吉など、多くの文化人がこの温泉地を訪れ、創作活動を行いました。彼らの足跡が残る地として、古湯温泉は今でも文学や芸術に興味を持つ人々に親しまれています。

アクセス

古湯温泉へのアクセスは、以下の方法で行くことができます。

空路

最寄りの空港は佐賀空港で、空港からはバスで約90分かかります。佐賀駅バスセンターでの乗り換えが必要です。

鉄道

長崎本線(JR九州)の佐賀駅から、昭和バス「富士支所前」行きに乗車し、約45分で到着します。

自動車

佐賀大和ICから車で約20分で古湯温泉に到着します。温泉街は駐車場も整備されており、車でのアクセスも便利です。

まとめ

古湯温泉は、歴史ある温泉地であり、その泉質や美しい自然環境、豊かな文化的背景が多くの人々を魅了しています。また、伝説的な開湯の歴史や、文化人たちが訪れた背景もこの温泉地を特別なものにしています。静かな時間を過ごし、温泉でリラックスしたい方には最適な場所です。四季折々のイベントも楽しめるため、一年を通して訪れる価値があります。

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古湯温泉
(ふるゆ おんせん)

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