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佐賀市歴史民俗館

(さがし れきし みんぞくかん)

佐賀市歴史民俗館は、佐賀県佐賀市柳町にある歴史的建物群を指す総称です。この歴史民俗館は、旧長崎街道沿いに残る貴重な歴史的価値を持つ建物を保護し、観光資源として活用することを目的として整備され、公開されています。1997年に最初に公開されたのは、旧古賀銀行、旧古賀家、旧牛島家の3館で、その後2000年に旧三省銀行と旧福田家が追加され、さらに2016年には旧森永家と旧久富家が公開されました。現在、合計7館が公開され、佐賀市の歴史や文化を伝える重要な施設となっています。

施設概要

旧古賀銀行

旧古賀銀行は、1906年(明治39年)に建築され、古賀銀行自体は1885年(明治18年)に設立されました。この建物は、佐賀市歴史民俗館の中心的な施設であり、さまざまな展示会が開催されています。さらに、館内には「浪漫座」というカフェがあり、地元の団体による演奏発表や、有名アーティストのライブ会場としても利用されています。特にサックス奏者の渡辺貞夫が毎年のようにライブを開催し、彼の2018年のライブアルバム「リバップ・ザ・ナイト」には、浪漫座で収録された5曲が収められています。

旧古賀家

旧古賀家は、1884年(明治17年)に建築された古賀銀行の創設者、古賀善平の住宅です。この家は、佐賀市の歴史的な背景を感じさせる貴重な建物であり、2018年に開催された「肥前さが幕末維新博覧会」では、メイン会場の一つとして「リアル弘道館」として活用されました。

旧牛島家

旧牛島家の正確な建築時期は不明ですが、もともと下今宿町(現朝日町)にあった町家建築を保存のために移設したものです。この建物は、佐賀城下に現存する中で最も古い建物の一つとされており、その歴史的価値が非常に高いものと評価されています。

旧三省銀行

旧三省銀行は、1882年(明治15年)に建築されました。三省銀行の前身である三省社は、明治15年に設立され、銀行となったのは明治18年です。2018年に開催された「肥前さが幕末維新博覧会」では、「葉隠みらい館」として利用され、多くの来場者に佐賀の歴史を伝えました。

旧福田家

旧福田家は、1918年(大正7年)に建築され、佐賀の代表的な事業家である福田慶四郎の居宅として知られています。この建物は、大正時代から昭和期にかけての佐賀の繁栄を象徴するもので、当時の生活様式を感じることができる貴重な文化財です。

旧森永家

旧森永家は、藩命により江戸時代からタバコの製造を行っていた家系であり、この家と蔵は明治前期の貴重な町家建築として保存されています。現在は紅茶専門の喫茶店や鍋島緞通の工房としても利用され、佐賀の伝統工芸を身近に感じることができます。なお、森永製菓の創業者である森永太一郎は佐賀県伊万里市の出身ですが、当館との直接の関係はありません。

旧久富家

旧久富家は、1921年(大正10年)に建築され、佐賀市白山で履物商を営んでいた久富亀一が移転建築したものです。この「履物問屋久富商店」は、昭和55年ごろまで営業していました。大正時代の商業建築として、地域の商業史を伝える貴重な遺産です。

佐賀市歴史民俗館でのイベント

佐賀城下ひな祭り

毎年2月中旬から3月末にかけて、佐賀市歴史民俗館を中心に「佐賀城下ひな祭り」が開催されます。このイベントでは、地域の伝統的なひな人形が展示され、佐賀の歴史や文化に触れることができる貴重な機会となっています。古賀銀行をはじめとする歴史的建物の中でひな人形が飾られ、来場者は当時の暮らしや文化を体感できます。

浪漫座での演奏会

旧古賀銀行内にあるカフェ「浪漫座」では、地元の音楽団体や有名アーティストによる演奏会が定期的に開催されています。特に、ジャズやクラシックの音楽イベントが多く、訪れる人々に音楽と歴史的建物が調和する特別な体験を提供しています。地元の文化活動を支える重要な場所としても評価されています。

アクセス

佐賀市歴史民俗館は、佐賀市柳町に位置しており、周辺には旧長崎街道の歴史的な街並みが広がっています。佐賀駅からは徒歩約15分、バスも利用できるため、アクセスが非常に便利です。

Information

名称
佐賀市歴史民俗館
(さがし れきし みんぞくかん)

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