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基山町

(きやまちょう)

基山町は、佐賀県東部の三養基郡に位置する町で、鳥栖都市圏の一部を形成しています。九州の交通の要衝であるため、物流や産業の発展が進んでおり、福岡市への通勤・通学を行う住民も多いベッドタウンとして機能しています。この町の魅力は、美しい自然や歴史的な背景、さらに交通の利便性にあります。特に、福岡都市圏に隣接することで、住民にとっても快適な生活環境が整っています。この町は、歴史的な名所や自然の美しさが魅力であり、四季折々の祭事や催事も豊富です。特産品も多彩で、訪れる人々に地元ならではの味覚や体験を提供します。

名所・旧跡

基山町には、古代から続く歴史的な名所が数多く残されています。その中でも特に注目すべき場所を以下にご紹介します。

基肄城跡(きいじょうあと)

基肄城跡は、国の特別史跡に指定されている重要な遺跡です。基山の山頂に築かれたこの城は、7世紀に倭国(現代の日本)を守るために築かれたものであり、古代の防衛拠点として非常に重要な役割を果たしました。現在では、その遺構を見学することができ、山頂からは周囲の美しい風景を一望できます。

荒穂神社(あらほじんじゃ)

延喜式内社として知られる荒穂神社は、古代からの歴史を持つ神社です。この神社は、地元の人々から長い間信仰されており、参拝者は神聖な空気を感じながら厳かな時間を過ごすことができます。

大興善寺(だいこうぜんじ)

別名「つつじ寺」とも呼ばれる大興善寺は、特に春になると約5万本のつつじが咲き乱れる名所です。毎年4月下旬から5月上旬にかけて「つつじ祭り」が開催され、多くの観光客が訪れます。美しいつつじの花々が境内を彩り、まるで花の海の中を歩いているかのような感覚を楽しむことができます。

本福寺(ほんぷくじ)

光明念佛身語聖宗総本山である本福寺も、基山町を代表する寺院です。この寺院は、仏教の教えに基づいた静かな環境で、心安らぐひとときを提供しています。

瀧光徳寺(りゅうこうとくじ)

中山身語正宗の大本山である瀧光徳寺は、その神聖さと荘厳さで訪れる人々に強い印象を与えます。宗教的な意味だけでなく、建築や庭園の美しさも見どころのひとつです。

吉祥寺(きっしょうじ)

真言宗善通寺派大本山として知られる吉祥寺もまた、歴史的な価値のある寺院です。訪れる人々は、仏教の教えに触れながら静寂と平穏を感じることができます。

基山町立歴史民俗資料・図書館

基山町の歴史と文化を学べる場所として、基山町立歴史民俗資料・図書館も訪れる価値があります。ここでは、基山町の歴史的資料や文化的遺産についての展示が行われており、地域の歴史を深く理解することができます。

三国境石(さんごくきょうせき)

三国境石は、筑前、筑後、肥前の3つの国を分ける三国山に存在する石で、歴史的に非常に重要な場所です。この地点は、地域の歴史に興味のある方々にとって必見のスポットです。

祭事・催事

基山町では、年間を通じてさまざまな祭事や催事が行われています。地域の伝統や文化を体験できるこれらのイベントは、観光客にも人気です。

大興善寺つつじ祭り(4月中旬〜5月上旬)

大興善寺で開催されるつつじ祭りは、基山町を代表する春のイベントです。寺院の境内に咲き誇る約5万本のつつじが見どころで、毎年多くの観光客が訪れます。

春のJR九州ウォーキング(4月下旬)

基山町の美しい自然を満喫できる春のJR九州ウォーキングも、人気のイベントです。新緑の中を歩くこのウォーキングイベントは、心身ともにリフレッシュできる貴重な体験となるでしょう。

きのくに祭り(7月下旬)

7月下旬に行われるきのくに祭りは、基山町の夏を彩る賑やかな祭りです。地元の人々と観光客が一緒に楽しむこの祭りは、地域の伝統文化を感じる絶好の機会です。

御神幸祭(9月秋分の日)

毎年秋分の日に行われる御神幸祭は、基山町の重要な宗教行事です。地元の神社での祭礼は、町全体を巻き込んだ大規模なイベントとなり、伝統的な雰囲気に包まれます。

園部くんち(10月)

10月に行われる園部くんちは、伝統的な秋の祭りで、地元の人々にとって欠かせないイベントです。太鼓や踊りなど、華やかなパフォーマンスが見られます。

基山町文化祭(11月1日〜3日)

基山町文化祭は、地域の芸術や文化を祝うイベントで、毎年11月初めに開催されます。地元のアーティストや団体が作品を披露し、多くの人々が訪れます。

大興善寺もみじ祭り(11月中旬〜12月上旬)

秋には、紅葉が美しい大興善寺で「もみじ祭り」が開催されます。赤や黄色に染まる美しい紅葉が境内を彩り、秋の風情を存分に楽しむことができます。

きやまロードレース大会(12月第1日曜日)

12月には、基山町でロードレース大会が行われます。町全体を巡るこのレースは、健康志向の人々やスポーツ愛好家にとって人気のイベントです。

ふ・れ・あ・いフェスタ(12月第2日曜日)

12月第2日曜日には、ふ・れ・あ・いフェスタが開催され、地元の住民や観光客が一堂に会して交流を深めます。地元の特産品や文化が紹介され、町全体が賑わいます。

基山町の特産品

基山町は、自然の恵みを活かした特産品も豊富です。地元で生産される新鮮な農産物や名物は、訪れた際にぜひ味わっていただきたいものばかりです。

基山町では、甘くてジューシーな柿が特産品として知られています。秋になると、基山町産の柿が市場に出回り、多くの人々に愛されています。

アスパラガス

基山町のアスパラガスは、新鮮で歯ごたえが良く、甘みのある味が特徴です。春から初夏にかけて、基山町産のアスパラガスは旬を迎え、地元の市場や直売所で新鮮な状態で購入することができます。シンプルに塩茹でして食べるのがおすすめです。

基山町は梨の生産でも知られており、特に夏から秋にかけて旬を迎えます。基山町産の梨は、果肉が柔らかく、みずみずしい甘さが特徴です。地元の農家が丹精込めて育てた梨は、直売所で新鮮な状態で購入でき、地元の名産としても親しまれています。

基山茶

基山町では、高品質な緑茶「基山茶」が生産されています。基山茶は、爽やかな香りと深い味わいが特徴で、地元の人々だけでなく、遠方から訪れる観光客にも人気です。お土産としても最適で、茶葉やティーバッグとして販売されています。

やぶれまんじゅう

基山町の特産品の一つに「やぶれまんじゅう」があります。このまんじゅうは、昔から地元で親しまれている和菓子で、名前の通り、まるで破れたような形をしているのが特徴です。ふんわりとした生地に、ほどよい甘さの餡が詰まっており、素朴で懐かしい味わいが魅力です。観光のお土産やお茶請けとしても人気があります。

基山町を訪れる際のポイント

基山町は、自然や歴史的な名所を巡りながら、地元の特産品や文化を楽しむことができる魅力的な観光地です。季節ごとの祭りやイベントも充実しており、訪れるたびに新しい発見があります。以下は、基山町を訪れる際に知っておくと便利なポイントです。

アクセス

基山町は、交通の便が非常に良く、福岡県と佐賀県の県境に位置しているため、福岡市や久留米市からのアクセスが便利です。JR基山駅を利用すれば、九州内の主要都市からのアクセスが容易です。また、基山パーキングエリアは、高速道路を利用するドライバーにも人気の休憩スポットです。

季節ごとの楽しみ方

春には大興善寺のつつじが見頃を迎え、町全体が色鮮やかな花で彩られます。夏にはきのくに祭りなどのイベントが開催され、秋にはもみじ祭りで紅葉の美しさを楽しむことができます。冬にはロードレースやフェスタなど、寒い季節でも町を訪れる楽しみがあります。

地元のグルメとお土産

基山町には、地元ならではの美味しいグルメが豊富です。特産品を使った料理や、地元の和菓子店で提供される「やぶれまんじゅう」など、旅の途中でぜひ立ち寄りたいスポットがたくさんあります。また、基山茶や新鮮な果物をお土産として購入することもおすすめです。

基山町の地理と自然環境

位置と地形

基山町は佐賀県の東端に位置し、南側は鳥栖市に接し、他の方向では福岡県に隣接しています。この地域は山々に囲まれ、美しい自然環境が広がっています。町内には契山(けいやま、408m)や基山(きざん、405m)といった山々があり、ハイキングや展望台からの景色を楽しむことができます。また、町を流れる秋光川、実松川、山下川が豊かな水を提供し、地域の自然環境を支えています。

気候

基山町は温暖な気候に恵まれており、四季を通じて穏やかな気温が続きます。夏は比較的温暖で、冬も厳しい寒さが少ないため、年間を通じて住みやすい環境となっています。また、近隣の都市と同様に、降水量は四季に応じて変動し、緑豊かな景観が広がっています。

基山町の歴史

近現代の歴史

基山町の歴史は、1889年(明治22年)の町村制の施行により、小倉村、園部村、長野村、宮浦村の統合で基山村として発足したことに始まります。その後、1939年(昭和14年)には町制施行により基山町となりました。町の発展は、九州自動車道や国道3号の開通など、交通インフラの整備とともに進みました。1959年には、大字長野の一部が鳥栖市に編入され、現在の町域が定まりました。

行政の取り組み

現在の基山町長は松田一也氏で、2016年から町のリーダーシップを務めています。また、基山町のイメージキャラクター「きやまん」も地域で親しまれており、町の魅力を広く発信しています。さらに、基山町は防災面にも力を入れており、毎月の防災無線の試験放送や定時のチャイムを通じて、住民への安全情報の提供を行っています。

基山町の交通と産業

交通網

基山町は、九州自動車道や国道3号などの主要交通網に接しており、九州全域へのアクセスが非常に便利です。基山駅は九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線と甘木鉄道の甘木線が接続しており、町の交通の中心となっています。町内のバス路線は廃止されましたが、コミュニティバス「きやまコミュニティバス」が運行され、住民の移動手段をサポートしています。また、基山パーキングエリアには高速バスが発着し、九州各地への移動が可能です。

産業と企業

基山町は九州の交通の要衝に位置しており、その地の利を生かして多くの企業が進出しています。町内には、サンポー食品やコカ・コーラボトラーズジャパン、伊藤ハム米久フーズ九州工場など、多くの企業の工場や事業所が存在します。特に、基山パーキングの裏手には日本最大のエミューの飼育場があり、観光客にも人気です。

基山町の特産品

基山町は、農業も盛んで、特産品として柿、アスパラガス、梨、基山茶が知られています。これらの農産物は、地域の産業として地元の経済を支え、また町の名産品として県内外からの観光客に人気です。

まとめ

基山町は、歴史ある名所や豊かな自然、美しい花々と共に、訪れる人々に癒しと感動を与える町です。また、地元の特産品やイベントも多彩で、一年を通じて様々な楽しみ方ができます。基山町を訪れる際は、ぜひその魅力を存分に味わってください。

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名称
基山町
(きやまちょう)

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