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祐徳稲荷神社

(ゆうとく いなり じんじゃ)

極彩色の美しい社の三大稲荷

日本三大稲荷の一つに数えられる西日本屈指の名社

祐徳稲荷神社は佐賀県鹿島市に位置する神社で、京都の伏見稲荷大社、茨城県の笠間稲荷神社とともに「日本三大稲荷」の一つに数えられています。衣食住を守る神様として古くから信仰され、商売繁盛、家運繁栄、五穀豊穣、海上安全など、生活全般の守護神として多くの人々に崇敬されてきました。現在では年間約300万人もの参拝者が訪れ、九州の神社の中でも太宰府天満宮に次ぐ参拝者数を誇る、九州を代表する神社の一つとなっています。

鎮西日光と称される美しい社殿

祐徳稲荷神社の大きな特徴は、極彩色の漆塗りで仕上げられた豪華で美しい社殿です。本殿、神楽殿、楼門などの建物は鮮やかな朱色や緑、金色などで彩られ、その華やかさから「鎮西日光(九州の日光東照宮)」と称されています。特に楼門は非常に立派な造りで、日光東照宮の陽明門を模して建てられたといわれています。

境内を進むと、高台に建てられた本殿へと続く回廊があり、その景観はまるで京都の清水寺の舞台のような美しさがあります。本殿のさらに奥には奥の院へと続く朱色の鳥居が並び、参道を進んでいくと山の上から有明海を望むことができる絶景スポットがあります。天気の良い日には遠くまで見渡すことができ、参拝だけでなく景色を楽しむ観光地としても人気があります。

祐徳稲荷神社の歴史と由緒

祐徳稲荷神社の創建は1687年(貞享4年)です。鹿島藩初代藩主であった鍋島直朝の夫人である萬子媛(後の祐徳院)が、京都の花山院家に祀られていた稲荷神社の分霊をこの地に祀ったことが始まりとされています。萬子媛は後陽成天皇の孫にあたる花山院家の娘で、非常に身分の高い人物でした。

萬子媛は鍋島家に嫁ぐ際、父から稲荷大神の神鏡を授けられ、それを祀るために社殿が建立されました。社殿の建築費用は鹿島藩が負担するなど、鍋島家からの厚い信仰を受けて発展していきました。萬子媛はその後も神社に深く関わり、晩年には石壁山の洞窟で断食修行を行い、そのまま入定したと伝えられています。

その後、萬子媛は「祐徳院」として祀られるようになり、稲荷神とともに信仰を集めるようになりました。明治時代の神仏分離により仏式の行事は廃止され、神社の名称は祐徳稲荷神社となりました。また、萬子媛には「萬媛命」という神号が授けられ、現在も神として祀られています。

火災と再建、現在の社殿

祐徳稲荷神社の社殿は、昭和24年に火災によって大きな被害を受け、多くの建物が焼失してしまいました。しかしその後、昭和32年に再建され、現在の本殿は3代目の建物となっています。この再建は伊勢神宮造営局長であった角南隆の設計によって行われ、総漆塗りの美しい社殿としてよみがえりました。

現在の神域内には、本殿、拝殿、回廊、神楽殿、社務所、楼門など多くの建物があり、どれも華やかな漆塗りで彩られています。境内にある命婦社は木彫りの装飾技術が非常に高く評価されており、建築や工芸の面から見ても価値の高い神社となっています。

四季の自然と東山公園の花々

祐徳稲荷神社は自然豊かな場所にあり、四季折々の景色を楽しむことができます。春には境内に桜が咲き誇り、多くの参拝客や観光客が花見を楽しみに訪れます。秋になるとモミジやイチョウが紅葉し、境内は赤や黄色に染まり、とても美しい風景になります。

また、神社の外苑にあたる東山公園は市内でも有名な花の名所で、「一目五万本」といわれるほど多くのツツジが咲くことで知られています。そのほかにも桜、菜の花、コスモスなど季節ごとにさまざまな花を楽しむことができ、花の名所としても人気があります。

祐徳博物館と文化財

境内の近くには祐徳博物館があり、神社が所蔵する美術工芸品や鎧、刀、鹿島錦などの資料が展示されています。歴史や文化に興味のある人にとっては見どころの多い施設で、祐徳稲荷神社の歴史や鹿島地域の文化を詳しく知ることができます。

また、歌人の斎藤茂吉や童謡作家の野口雨情なども祐徳稲荷神社を訪れ、詩や歌を残しており、文化人にも愛された神社であることがわかります。

参道と門前商店街

祐徳稲荷神社の入口から続く参道には門前商店街が並び、お土産店や飲食店が立ち並んでいます。名物のお菓子や地元の特産品などを購入することができ、参拝とあわせて散策を楽しむことができます。昔ながらの雰囲気が残る商店街は、歩くだけでも観光気分を味わうことができます。

参道の北側には広い無料駐車場があり、約3,000台の駐車スペースが用意されています。また、錦波川の東側には祐徳神社前のバス停もあり、公共交通機関でも訪れることができます。

西日本を代表する信仰と観光の名所

祐徳稲荷神社は、日本三大稲荷の一つとして古くから信仰を集めてきた神社であり、美しい社殿、長い歴史、四季折々の自然、門前町のにぎわいなど、多くの魅力を持つ観光地でもあります。参拝だけでなく、建築や歴史、自然、景色などさまざまな楽しみ方ができる場所です。

山の中腹に建てられた本殿や回廊の景色、朱色の鳥居が続く奥の院への道、美しい楼門や神楽殿など、どこを見ても見どころが多く、西日本を代表する神社といわれる理由を感じることができます。佐賀県を訪れた際には、ぜひ参拝しておきたい名所の一つです。

Information

名称
祐徳稲荷神社
(ゆうとく いなり じんじゃ)
リンク
公式サイト
住所
佐賀県鹿島市古枝乙1855
電話番号
0954-62-2151
駐車場
無料 3000台
アクセス

JR長崎本線「肥前鹿島」駅より、駅前の「鹿島バスセンター」停留所から「祐徳神社前」行きの祐徳バスに乗車し、「祐徳神社前」バス停で下車

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