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嬉野市

(うれしのし)

佐賀県の西部に位置する嬉野市は、温泉で有名な「嬉野温泉」と、歴史的な町並みが残る「塩田津」で知られる魅力的な観光地です。自然豊かな地域であり、古くからの文化や産業も息づいています。

観光スポット

嬉野温泉 - 癒しの温泉街

嬉野温泉は、古くから湯治場として栄えており、肌がすべすべになると言われるアルカリ性の温泉が特徴です。温泉街には多数の温泉宿やホテルが立ち並び、宿泊客はもちろん、日帰りでも気軽に温泉を楽しむことができます。

シーボルトの湯

シーボルトの湯は、ドイツの医師シーボルトが訪れたことから名付けられた歴史的な温泉施設です。現在でも温泉街の中心にあり、多くの人々に親しまれています。また、近くには「シーボルトの足湯」もあり、歩き疲れた足を癒すのに最適なスポットです。

塩田津 - 長崎街道の歴史を感じる街並み

塩田津は、長崎街道沿いに発展した宿場町で、今でもその歴史的な街並みが保存されています。2005年(平成17年)には「重要伝統的建造物群保存地区」として選定され、2020年には日本遺産にも認定されました。この地区を散策すれば、江戸時代から続く古い家屋や町家群を見ることができ、歴史の風情を感じることができます。

西岡家住宅(国指定重要文化財)

塩田津にある西岡家住宅は、国指定の重要文化財であり、歴史的な建築物として大変貴重です。木造の立派な建物で、当時の建築技術の高さを感じさせます。

杉光陶器店 主屋・一の蔵・二の蔵・三の蔵(国登録有形文化財)

こちらは、陶器の制作と販売を行っていた店舗で、主屋や倉庫が国の有形文化財に指定されています。陶器の美しいデザインとその歴史的価値は、訪れる人々を魅了します。

自然と景観スポット

嬉野市には、自然を感じられる景勝地も多く、リラックスできる場所がたくさんあります。

立岩展望台

立岩展望台は、嬉野市の全景を一望できる絶好のスポットです。ここからは、街並みだけでなく、山々の美しい風景も楽しめます。自然の中でのリフレッシュには最適です。

轟の滝

轟の滝は、嬉野市の自然を象徴する美しい滝です。轟音を立てて流れる水の勢いと、その周囲の緑が織りなす景観は、訪れる者の心を癒します。滝の周辺は散策コースとしても整備されており、自然の中を歩くことができる人気のスポットです。

文化と歴史を感じる施設

嬉野市には、温泉や自然だけでなく、文化や歴史に触れられる施設も多くあります。これらの場所を巡ることで、嬉野市の豊かな歴史と伝統に触れることができます。

肥前吉田焼窯元会館

肥前吉田焼窯元会館は、嬉野市の伝統的な陶磁器「肥前吉田焼」の展示・販売を行っている施設です。江戸時代から続くこの焼き物は、現代でも高い評価を受けており、陶器愛好家にはたまらないスポットです。

志田焼の里博物館(近代化産業遺産)

志田焼の里博物館は、近代化産業遺産に指定された施設で、かつて盛んに生産されていた志田焼に関する資料を展示しています。志田焼の歴史や技術を学びながら、当時の陶磁器産業の規模を知ることができます。

鍋野手すき和紙工房

鍋野手すき和紙工房は、伝統的な和紙の製作技術を体験できる工房です。嬉野市塩田町の鍋野地区で生産されているこの和紙は、高品質で知られ、長い歴史を持つ貴重な文化財です。工房では、手すき和紙の製作過程を見学したり、実際に自分で和紙を作る体験ができるため、観光客にも大変人気があります。

嬉野市の特産品

嬉野市は、自然の恵みを受けた豊かな特産品の産地としても知られています。地元ならではの新鮮な農産物や、歴史ある伝統工芸品など、嬉野市ならではの味わいと文化を楽しむことができます。

嬉野茶

嬉野市は「嬉野茶」の産地としても有名です。江戸時代、吉村新兵衛が茶の栽培を始めたと言われており、現在でもこの地域で高品質な茶葉が生産されています。特に釜煎り茶の技術が近年復活し、伝統的な製法による茶が再び注目を集めています。また、不動山地区には、樹齢300年を超える国指定の天然記念物「嬉野の大チャノキ」もあります。

温泉湯どうふ

嬉野市の名物料理「温泉湯どうふ」は、温泉水を使って豆腐を煮込むことで作られる特別な料理です。温泉水に含まれる成分が豆腐に作用し、滑らかでとろけるような食感になります。温泉街の多くの旅館や飲食店で提供されており、訪れた際にはぜひ一度味わってみたい一品です。

肥前吉田焼

肥前吉田焼は、江戸時代から続く伝統的な陶磁器で、嬉野市の吉田地区を中心に生産されています。陶器の美しいデザインと高い技術は、全国的にも評価されています。肥前吉田焼窯元会館では、実際に陶器を手に取って見ることができ、購入も可能です。

文化財

木造不動明王及二童子像

嬉野市には数多くの文化財が点在しています。国指定重要文化財である永寿寺の「木造不動明王及二童子像」は、その迫力ある姿で訪れる人々を魅了します。

不動山窯跡

不動山窯跡は、肥前磁器窯跡の一つとして国指定史跡に認定されています。江戸時代の磁器生産の歴史を知ることができる貴重な遺跡で、陶磁器文化に興味がある方には見逃せないスポットです。

嬉野市のイベント

嬉野市では、年間を通してさまざまなイベントが開催されており、地元の文化や季節の風物詩を楽しむことができます。

嬉野温泉健康ロードレース大会(1月)

毎年1月に開催される「嬉野温泉健康ロードレース大会」は、多くのランナーが参加する人気イベントです。温泉街を走り抜けながら、健康と観光を同時に楽しむことができるレースです。

うれしのあったかまつり(2月上旬)

2月に行われる「うれしのあったかまつり」は、温泉と共に地域の伝統を祝うお祭りで、温泉街が温かい光で彩られ、多くの観光客で賑わいます。

地理と自然環境

盆地に囲まれた豊かな自然

嬉野市は、ほぼ全域が比較的緩やかな山々に囲まれた盆地で、東部は白石平野に属しています。主要な山岳には、国見岳(813m)、虚空蔵山(608.5m)、唐泉山(410m)などがあり、自然豊かな地形が広がっています。

主要な河川と湖沼

市内を流れる主な河川としては、嬉野川、塩田川、鹿島川があり、湖沼としては広川原池、岩屋川内ダム、横竹ダムが存在します。これらの水源は農業や地域の生活に大きな影響を与えています。

気候

嬉野市の気候は温暖で、四季折々の自然が楽しめる地域です。冬は比較的穏やかで、夏には豊かな緑が街を彩ります。

歴史

古代の嬉野市域

古代、嬉野市の一帯は「葛津立国」と呼ばれ、塩田町に多くの古墳が分布していたことが確認されています。奈良時代には、現在の嬉野市域は肥前国藤津郡に属し、『肥前国風土記』には、塩田川や嬉野温泉に関する記述が見られます。

中世の地名由来と伝説

鎌倉時代には「宇礼志野(うれしの)」という地名が初めて登場します。また、地名の由来には、神功皇后が「嬉しい」と発言したという伝説がありますが、学術的には「末(うれ)し野」という地名が転じたものとされています。

近現代の発展

1889年(明治22年)の町村制施行により、嬉野市域には複数の村が誕生しました。その後、1929年に西嬉野村が町制施行し「嬉野町」となり、1955年には吉田村と合併しました。さらに2006年に塩田町と合併し、現在の嬉野市が誕生しました。

産業と観光

産業

嬉野市は、観光業と農業が盛んで、特に「嬉野茶」の生産で有名です。茶の栽培はこの地域の重要な産業のひとつであり、全国的に高い評価を受けています。

観光

嬉野温泉は全国的にも有名で、年間100万人以上の観光客が訪れます。特に美肌効果があるとされるアルカリ性の温泉は、多くの人々に愛されており、温泉街には多くの旅館やホテルが立ち並んでいます。また、塩田津は、江戸時代の風情が残る重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、歴史的な建造物や風景を楽しむことができます。

名所と見どころ

嬉野市の観光スポットには、温泉街や歴史的な塩田津の他にも、轟の滝や岩屋川内ダムなどの自然景観が挙げられます。これらの場所は、四季折々の美しい風景が楽しめる場所として、地元の人々や観光客に人気です。

地域の文化と伝統

伝統的建造物群保存地区

嬉野市には、江戸時代の町並みが残る「塩田津」があり、2005年に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。塩田津の町並みは、当時の風情を感じられる貴重な文化財であり、多くの観光客が訪れるスポットとなっています。

地元の祭りとイベント

嬉野市では、毎年さまざまな祭りやイベントが開催され、地元の文化や伝統が大切に受け継がれています。中でも、嬉野温泉を舞台にした温泉祭りは、地域住民と観光客が一体となって楽しむことができる行事として知られています。

まとめ

嬉野市は、美しい自然環境に恵まれ、歴史的な町並みや温泉など、多くの観光資源を有する魅力的な地域です。特に、嬉野温泉は全国的にも有名であり、訪れる価値のある場所と言えます。また、農業も盛んで、特に「嬉野茶」の生産はこの地域の特産品として広く知られています。訪れる人々は、歴史と自然、温泉を同時に楽しむことができる嬉野市で、心癒されるひとときを過ごすことでしょう。

Information

名称
嬉野市
(うれしのし)

嬉野・武雄・伊万里

佐賀県