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稲佐神社

(いなさ じんじゃ)

稲佐神社は、佐賀県杵島郡白石町に鎮座する歴史ある神社です。この神社は、国史見在社として「稲佐雄神」に捧げられており、旧社格は県社です。さらに、この地域にはかつて稲佐山泰平寺が開かれ、神仏習合の影響が色濃く残る場所としても知られています。

祭神

稲佐神社では以下の神々が祀られています。

歴史

稲佐神社の創祀年代は定かではありませんが、『日本三代実録』には、貞観3年(861年)に従五位下に叙せられ、仁和元年(885年)には従五位上に昇進したことが記されています。このことから、非常に古い歴史を持つ神社であることがわかります。

また、社伝によると、天地開闢の頃から五十猛命が祀られており、飛鳥時代には百済から阿佐王子が来朝し、この地に居を定めた際、両親を稲佐大神とともに合祀したと伝えられています。阿佐王子が亡くなった後、彼自身も神として祀られるようになりました。

平安時代には、空海がこの地に稲佐泰平寺(現在の大師堂や観音院など)を開き、稲佐大明神が鎮守神として位置づけられました。その結果、稲佐神社は真言寺十六坊と呼ばれる大きな霊場の一部となりました。貞観3年(861年)には神階を授けられ、その後も龍造寺氏や鍋島氏の庇護を受けて栄えました。現在の本殿は、享保6年(1721年)に再建されたものであり、長い歴史を感じさせます。

祭事

稲佐神社では、年間を通じて様々な祭事が行われています。特に以下の祭事が有名です。

境内社

稲佐神社の境内には以下の社も存在し、さまざまな神々が祀られています。

文化財

稲佐神社の境内には、数々の文化財が残されています。特に有名なのは、楠(クスノキ)と石造の肥前鳥居です。

稲佐神社の楠

稲佐神社の境内には、樹齢600年以上とされる大楠が2株あり、これらは1965年(昭和40年)7月23日に天然記念物に指定されています。特に鐘楼の東側にある1株は、根回りが26メートル、幹回りが10メートル、樹高17メートル、枝張り19メートルという壮大な姿を誇ります。

また、社務所東側にあるもう1株は、根回り19.2メートル、幹回り10.5メートル、枝張り18.9メートル、樹高26.5メートルであり、県内で最も高い楠として知られています。

石造肥前鳥居

稲佐神社の石造肥前鳥居は、2021年(令和3年)5月11日に重要文化財に指定されました。この鳥居は天正13年(1585年)の銘があり、県内最古の肥前鳥居です。

肥前鳥居の特徴として、柱が下部に向かって太くなるという重厚な造りが挙げられます。また、笠石と島木が一体化し、両端部が流線形になっていることで、全体的に安定感がありながらも軽やかな印象を与えるデザインです。柱は三本継ぎで、高さは約3.8メートルあります。

アクセス

稲佐神社へのアクセス方法は、主に車が便利です。国道207号線から武雄北方方面に約3キロメートルの場所に位置しています。また、最寄り駅は肥前白石駅または肥前竜王駅ですが、駅からの交通手段は限られていますので、車での移動が推奨されます。

稲佐神社は、歴史的価値と自然の美しさを兼ね備えた神社で、訪れる人々に深い感動を与えます。ぜひ、この神社を訪れてその魅力を体感してみてください。

Information

名称
稲佐神社
(いなさ じんじゃ)

嬉野・武雄・伊万里

佐賀県