諏訪神社は、佐賀県唐津市(旧東松浦郡浜玉町)に鎮座する由緒ある神社です。この神社は、地元の人々だけでなく、多くの観光客にも親しまれ、豊かな歴史や伝説に彩られた神聖な場所となっています。
諏訪神社は、その創建が784年(延暦3年)と伝えられており、非常に長い歴史を持っています。所在地は、佐賀県唐津市浜玉町です。祭神としては、建御名方神(たけみなかたのかみ)、八坂刀売神(やさかとめのかみ)、そして諏訪前命(すわさきのみこと)が祀られています。特に諏訪前命にまつわる伝説が有名で、百済からの渡来人との悲恋物語が神社の由来として語り継がれています。
百済から渡来した鷹使い「誓来(せいらい)」が大和朝廷に鷹を献上するために訪れた際、朝廷から遣わされたのが、大矢田連の娘である諏訪姫でした。誓来は諏訪姫に鷹狩の技術を教え、二人は恋に落ちました。しかし、誓来は祖国に戻らなければならず、別れの時が訪れます。その際、鷹狩が行われましたが、誓来の鷹がマムシに絞め殺されてしまいます。これを悲しんだ諏訪姫は自害し、その後、彼女は諏訪神社に祀られることになりました。この伝説から、諏訪神社の砂には「マムシ除け」のご利益があるとされています。
諏訪神社の創建は、延暦3年(784年)と伝えられていますが、諏訪姫の物語が語る時期と百済の存在した時期が一致しないため、西暦500年頃に創建されたともされています。応仁の乱の際には戦火に巻き込まれて焼失しましたが、その後、規模を縮小して再建されました。
豊臣秀吉が文禄・慶長の役のために名護屋城へ向かう途中、この神社に戦勝祈願のために参拝したとの記録も残っています。この時、地元の住民が献上した「けえらん」という餅菓子は、現在でも神社周辺で土産物として販売されており、地域の特産品となっています。
諏訪神社は、鷹にまつわる伝説があることから、鷹をシンボルとする福岡ソフトバンクホークスの関係者も戦勝祈願に訪れることがあるそうです。建御名方神は軍神としても知られているため、スポーツや戦勝祈願を行う方々にとっても重要な神社となっています。
諏訪神社の境内には、いくつかの神社が併設されています。特に有名なのが須賀神社(祇園社)で、地域の人々に親しまれています。護国社も同じく境内にあり、多くの参拝者が訪れます。
毎年5月に行われる「諏訪神社春祭り」は、地域の農家がマムシ除けの砂を求めて参拝する大切な行事です。この祭りでは、農業の安全と豊作を祈願します。
7月の海の日を過ぎた土日に行われる「浜崎祇園山笠」は、浜崎の内町3地区(濱、東、西)が大漁や商売繁盛、五穀豊穣を祈願して奉納する盛大なお祭りです。この行事は、境内社の須賀神社の祭礼として行われており、山笠が3台奉納されるのが特徴です。
11月23日に行われる「秋季例大祭(浜崎くんち)」は、収穫に感謝を捧げるお祭りです。獅子舞や稚児行列、神輿を載せた台車などが登場し、賑やかな祭りが展開されます。7つの氏子地区が交代で祭りの運営を担当し、地域全体が一体となって盛り上がる行事です。
諏訪神社は、その長い歴史と伝統により、地域住民にとって欠かせない存在です。特に「マムシ除け」のご利益が広く信じられており、周辺地域の多くの農家や参拝者が訪れます。また、伝説や歴史に裏打ちされた神聖な場所として、訪れる人々に深い感銘を与えています。
神社の周辺には、観光名所としても人気の高い場所が点在しています。特に豊臣秀吉ゆかりの名護屋城跡や、地元の特産品である「けえらん」を味わうことができる店舗もあり、歴史散策とグルメを楽しむことができます。諏訪神社を訪れる際は、ぜひ周辺の観光スポットも一緒に楽しんでみてください。
諏訪神社は、佐賀県唐津市にある歴史的で由緒正しい神社です。百済の鷹使いとの悲恋物語や豊臣秀吉とのつながりなど、数々の伝説や歴史が交錯する場所で、神聖な雰囲気が漂います。また、マムシ除けのご利益や地域の伝統的な行事など、地元の人々に深く根付いた神社として、観光客にも人気があります。ぜひ一度、諏訪神社を訪れ、その豊かな歴史と文化を感じてみてください。