旧唐津銀行本店は、佐賀県唐津市に位置する歴史的な銀行建築です。この建物は「辰野様式」として知られる建築様式を取り入れており、明治時代における銀行建築の代表的な存在です。また、「辰野金吾記念館」とも呼ばれています。
旧唐津銀行本店は、現在の佐賀銀行の前身である唐津銀行の本店として1910年（明治43年）に着工され、1912年（明治45年）に完成しました。この銀行の頭取を務めていた大島小太郎が、唐津出身で日本を代表する建築家であった辰野金吾に設計を依頼し、辰野の監修のもと、弟子である田中実が実際の設計を手掛けました。施工は清水満之助店（現：清水建設）が担当しています。
外壁には赤レンガ調のタイルと白御影石が使用されており、アーチ窓や御影石のバルコニーなどが取り入れられています。これらの特徴は「辰野様式」として有名で、当時の西洋建築の影響を受けたデザインが際立っています。
内部の構造は、1階に吹き抜けのロビーが広がり、銀行カウンターを介して執務室があります。2階には応接室や会議室が配置されており、貴賓室には豪華な天井装飾や大理石のマントルピースが備えられています。各部屋には品格のあるデザインが施され、当時の銀行建築の重厚な雰囲気を感じることができます。
旧唐津銀行本店は1997年（平成9年）まで佐賀銀行の建物として使用されていましたが、その後唐津市に寄贈されました。保存修理を経て、2011年（平成23年）より一般公開が開始され、外観や内装、照明器具、カーテン、絨毯などの細部まで創建当時の姿に近づける努力がなされました。
現在、旧唐津銀行本店では、唐津市の歴史や文化を紹介する常設展示が行われており、不定期でコンサートや展示会などのイベントも開催されています。また、この建物は2002年（平成14年）に唐津市指定重要文化財に、2017年（平成29年）には佐賀県指定重要文化財として指定されました。
旧唐津銀行本店の最大の見どころは、「辰野様式」と呼ばれる建築スタイルです。これは、明治時代を代表する建築家である辰野金吾が手掛けた建物に見られる特徴で、赤レンガや白御影石を使ったデザインが特徴です。重厚感と洗練されたデザインが融合し、建物全体に威厳と美しさが漂います。
旧唐津銀行本店の内部では、特に貴賓室が注目されます。この部屋には豪華な天井装飾や大理石製のマントルピースがあり、当時の銀行建築の中でも特に高級感が漂う空間です。ここで行われた重要な会議や交渉の様子を思い描くことができるでしょう。
旧唐津銀行本店では、唐津市の歴史や文化に関する常設展示が行われており、来訪者は当時の銀行業務や地域の歴史に触れることができます。また、不定期でコンサートや展示会などのイベントも開催されており、地元住民や観光客が集まる交流の場ともなっています。
旧唐津銀行本店は、単なる歴史的建造物としてだけでなく、地域文化や建築史においても重要な役割を果たしています。辰野金吾の監修のもとに設計されたこの建物は、明治時代の西洋建築技術の進展を象徴するものであり、地域の誇りとして今なお大切に保存されています。2002年には唐津市指定重要文化財、そして2017年には佐賀県指定重要文化財に指定されており、その価値は広く認められています。
旧唐津銀行本店は佐賀県唐津市本町1513-15に位置しています。唐津市の中心部にあり、アクセスも便利です。
開館時間は毎日9時00分から18時00分までです。入館料は無料で、どなたでも気軽に訪れることができます。ただし、多目的ホールを利用する場合は1時間につき1040円の使用料が必要です。
年末年始の12月29日から12月31日までは休館となります。その他の日は基本的に開館しています。
旧唐津銀行本店へは、JR九州唐津線唐津駅から徒歩約8分（約660メートル）でアクセス可能です。また、博多バスターミナルから昭和バス「からつ号」に乗車し、唐津大手口バスセンターで下車後、徒歩3分（約220メートル）で到着します。車でのアクセスも便利で、西九州自動車道唐津インターチェンジから唐津市街方面へ約14分（約5.5キロメートル）で到達できます。駐車場も完備されていますので、マイカーでの来訪も安心です。
旧唐津銀行本店は、歴史と文化が融合した貴重な建物であり、訪れる価値のある観光スポットです。建物の美しいデザインと、内部に施された豪華な装飾、さらに唐津市の歴史を学ぶことができる展示など、多くの魅力があります。佐賀県を訪れる際には、ぜひこの歴史的建造物を訪れて、明治時代の銀行建築の素晴らしさを感じてみてください。