大魚神社は、佐賀県藤津郡太良町多良に位置する神社で、有明海に面しています。神社の特徴的な海中鳥居は、海と神社の風景を結びつけ、多くの観光客や写真家を魅了するスポットです。
大魚神社は、有明海の海岸線沿いにあり、満潮時には水中に沈む鳥居が象徴的です。この鳥居は、干潮時には歩いて近づくことが可能で、観光客が実際に触れることができる場所として人気を集めています。また、神社は霊峰・多良岳から沖ノ島へと連なる直線上に建てられており、自然と神話が交差する神秘的な空間を演出しています。
この神社の主祭神は「大魚大明神」とされ、海にまつわる神徳を祀る場所としても知られています。
創建の正確な年代は不明ですが、伝説によると、沖ノ島で危機に陥った代官が巨大な魚によって助けられたことが神社創建のきっかけだとされています。その後、1682年（天和2年）には諫早氏6代目の諫早茂元が社殿を再興し、1693年（元禄6年）には最初の海中鳥居が建立されました。この風習は約30年ごとに鳥居を建て替えるという形で現代まで続いています。
太良町の栄町地区から有明海に向かって3基の鳥居が設置されており、そのうち一つが特に有名な海中鳥居です。伝説に基づいて設置されたこの鳥居は、神社と沖ノ島の間を結ぶシンボルであり、夕暮れ時には幻想的な風景を作り出します。この風景は、観光客や写真愛好家にとって特に魅力的で、SNSでも人気の撮影スポットとして知られています。
大魚神社の本殿は、多良岳と沖ノ島を結ぶ線上に建てられています。この配置は、自然の地形と神聖な空間が調和する設計となっています。
海中鳥居は、神社と沖ノ島を結ぶ線の上に建てられた奉賛物です。この鳥居の扁額には「沖之神」と記されており、神聖な海の守護神を象徴しています。
境内には、六地蔵と呼ばれる仏教の守護神像も安置されており、地域住民の信仰の対象となっています。また、籠堂（ろうどう）は参拝者の休息場所としても利用されています。
大魚神社では、太良町主催の「千乃灯篭祭り」が毎年8月に開催されます。この祭りでは、無数の灯篭が神社とその周辺を彩り、幻想的な夜の風景を楽しむことができます。地元住民だけでなく、観光客も多く訪れるこのイベントは、地域の伝統文化を体感できる貴重な機会です。
大魚神社は佐賀県太良町にあり、公共交通機関や車でのアクセスが可能です。最寄りの駅からはタクシーやバスでの移動が便利で、周辺には多良岳の登山ルートやキャンプ場も点在しています。
海中鳥居は干潮時にのみ歩いて近づけるため、訪れる際には潮の満ち引きを確認することが重要です。また、神社の境内や鳥居周辺は自然保護区域となっているため、マナーを守った参拝が求められます。
大魚神社は、伝説と自然、そして地域の文化が調和した魅力的な観光地です。有明海に浮かぶ鳥居の幻想的な風景や、30年ごとの鳥居建立の伝統は、訪れる人々に特別な感動を与えます。また、地域住民と観光客が一体となって行う「千乃灯篭祭り」は、大魚神社を訪れる一つの楽しみです。